Biwaneco Surf

南千葉のサーフィン日誌であります

映画のこと第1回 「世界侵略のススメ」

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初公開: 2016年2月12日 (アメリカ合衆国)
監督: マイケル・ムーア
ノミネート: 放送映画批評家協会賞 ドキュメンタリー映画賞, Satellite Award for Best Documentary Film

 

評価:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 

サーフィン帰りに友人たちからAmazon プライムビデオを勧められて入会してみたのである。

映画はけっこう観るけど、かなりシリアスで暗い内容、人間の内面をえぐるような作品やサスペンスの大どんでん返し系が映画は好きなのだけど、すごく心に残った作品以外はほぼ忘れてしまうのでブログに残すことにした。

 

なので友人に勧められたり、ジャケ写や題名でなんとなくなど、ジャンルレスで先入観なしで観て行こうと思う。

ちなみに評価はかなり個人的な評価なので気にしないでください。映画を観たときのテンションや状況、はたまた体調などで大きく左右されると思われるのであります。

 

 

 

記念すべき? 第1回はマイケル・ムーア監督の

「世界戦略のススメ」

 

なぜこの作品になったかというと、カッチンに勧められた映画は5分ほどでこれはだいぶシリアスっぽいから体力あるときに観ようと回避、(さらに夕飯と同時に晩酌も始めていたので軽く酔いはじめていた)

なんとなくどんな映画あるかなーと思ったときに目を止めたタイトルであった。

 

まずマイケル・ムーアはものすごいファンだ!とか信者であるわけではないけど、なんとなく観たくなるマイケル・ムーアの作品。

というか彼の行動や考え方、問題提示、全てに興味がある。← ファンですね

 

第1回からして映画ではあるけど、ドキュメンタリー性の強い作品を選ぶあたり、この映画批評シリーズは先行き不安である。

 

あらすじはマイケル・ムーアがヨーロッパや北アフリカを周り、各国の少し不思議で斬新なシステムだけれども上手くいっている事例をアメリカも真似をしようよ!と提案していくストーリー。

 

結果的にはとても面白い映画であった!

マイケル・ムーアにしては、かなりポジティブでほんわかする仕上がりになっている。

 

ここからネタバレ

 

イタリアには8週間もの有給休暇があり、昼休みは2時間。

フランスの小学校の給食は、美味しそうなフレンチのフルコース。

フィンランドの学校には宿題がない。なのに学力は世界一。

スロベニアは、大学の授業料が無料。アメリカで授業料を払えなくなった若者たちがこの国に来て学んでいる。

ドイツは週の労働時間がわずか36時間。退社後に上司が部下にメールや電話をすることは法律で禁じられている。

ポルトガルでは、麻薬が禁止されていない。

ノルウェーは刑務所で受刑者は人間として扱われて過ごしやすい環境となっている。死刑はなく、懲役刑の最高は21年。なのに再犯率は世界最低。

チュニジアは中絶費用が無料で、イスラムのスカーフをするかどうかは本人の判断。つまり我々が感じているイスラム教とはかなりイメージが違う。

アイスランドには、世界初の女性大統領。完全な男女平等が実現している。

 

などなどだ。

各国の成功している素晴らしい試みは夢のような話や、シリアスな部分もあるが、成果は十分にでており、それぞれの分野では素晴らしい境遇となっている。

そういったことをアメリカにも取り入れようぜ!

っていう内容だ。

 

印象的であったのはこういった試みをそれぞれの国のそれぞれの人がとても誇らしげに、自信や信念を持ってムーアに語っている。

その表情からはアメリカ人(というか僕の場合日本人)よりもはるかに充実した暮らしを手にしているよつに見えて、人間本来の理想的な生き方、考え方を見事に現実化しているようにさえ思える。

映画では描いてないが、もちろんそれぞれの国にはそれぞれの問題はある。

それはムーアの映画を観てきたファンなら世界情勢は少し理解しているだろうと。

 

最後にムーアは各国の成功している素晴らしい試みや考え方は、現在良いところなど何もないように見える最悪な国アメリカ(僕にとって日本)も以前にそういったアイディアを生み出し、実践しようとしてたり、そういったアイディアが他の国に良い影響を与えたこともあったことに気がつく。

 

つまり、

ムーアがインタビューで、こう答えていた。このコメントに全てがつまっている。

「この映画を見て『なぜイタリアの高い失業率は無視するんだ?』と言われたら、良い部分のみを撮影しに行ったからだと答える。欠点に注目する人がいれば、わたしは逆に良い部分に注目しそのコントラストを見せたいんだ。特にアメリカ人に対して。まあ、世界中の人に対して、とも言えるが。みんな十分に事実は知っているわけだから、その物事がどうやってこんなにひどくなったか、なんていうドキュメンタリーは見に行く必要がないわけだ。それをよくするために何かに刺激を受けて何かを実行する、これが必要なんだ」

 

世界が理想を失い、目標が見つからずに漂流している時代。

だからこそ

恥じることなく理想を目指して、そして行動することって大事なことなんじゃないだろうか。

すごくシンプルだけれども。

わかっていたはずのことかもしれないけど。

この映画でスムーズにそういった心になれた。

なぜならばマイケル・ムーアが映画の中で見せる無邪気に感動や感銘を受ける姿や、ムーアへ自分の国のことを語る人たちが、とてもとても美しく思えたから。

 

 

まさか、ムーアの作品でこんな気持ちになるなんて 笑

 

意外性も含めて第1回なので星5つ! 

 

何年かしたらまた観たい映画は少ないけど、この映画はいつの日かまた観たいと思う。